コラム

2026.02.13コラム

令和8年度報酬改定を見据えた「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」

介護分野の人材不足が深刻化する中、政府は令和8年度の報酬改定を待たず、人材流出を防ぐための「緊急的対応」として新たな支援事業を創設しました。
この制度は、令和7年12月16日から適用が開始されています。

1.三層構造の支援メニュー

本事業の最大の特徴は、取組の内容に応じて補助額(交付率)が変動する三階建ての構造にあります。

  • ① 幅広い賃上げ支援(ベース)
    原則として令和7年12月時点で「介護職員等処遇改善加算」を算定していることが基本要件となります。
  • ② 生産性向上・協働化(上乗せ)
    訪問・通所系では「ケアプランデータ連携システム」への加入、施設系では「生産性向上推進体制加算」の算定などが求められます。
  • ③ 職場環境改善の支援
    現場の課題の見える化や、業務改善のための体制構築、役割分担の明確化といった具体的なアクションを計画・実施する必要があります。

特筆すべきは、「②の要件を満たせば③の要件も満たしたとみなされる」という合理的なルールです。
これにより、ICT活用に取り組む事業所は事務負担を抑えつつ高い交付率を適用できる設計となっています。

2.「誓約」による柔軟な運用

本制度では、申請時点で全ての要件を満たしていなくても、「実績報告書提出までに対応すること」を誓約すれば先行申請が可能です。

処遇改善加算を現在算定していない事業所やITシステム導入を検討中の事業所であっても、将来の実施を約束することで
令和7年12月分の報酬実績(6か月分)を基礎として補助額算定を受けることができます。

3.補助金の使い道に関する厳格なルール

受け取った補助金には、その全額を適切に還元するためのルールが設定されています。

  • 全額支出の原則
    交付額は1円も残さず「賃金改善」または「職場環境改善(研修費・求人費)」に使用する必要があります。
  • 水準低下の禁止
    補助金による改善分を除き、前年同時期と比較して職員の平均賃金水準を低下させてはなりません。
  • 禁止されている使途
    職場環境改善として計上する場合でも、介護ロボットやタブレット端末等の機器購入費用への充当は禁止されています。
    これは別制度(介護テクノロジー導入・協働化等支援事業)との重複防止のためです。

「賃上げを実現したい」という現場の率直な想いに対し、それに伴う事務手続や書類対応が多岐にわたることは、
現場を担っておられる皆様にとって大きな負担となっているのが実情です。

当法人では制度についてのお悩みなども受け付けております。
まにしすをご利用の場合初回ご相談は無料となっておりますのでお気軽にご相談ください。