外国人介護人材の活躍と処遇改善加算のこれから
2027年4月から本格運用が予定されている「特定技能制度」と「育成就労制度」。いずれも、外国人材が日本で働きながら技能を高め、段階的にキャリアアップしていくことを目的とした制度です。国では現在、2025年12月までに運用要領を策定する方針で、分野ごとの受入れ基準や教育体制について具体的な検討が進められています。
1.介護分野における特定技能・育成就労制度の位置づけ
介護分野は、特定技能制度の中でも早くから外国人材の受け入れが進んできた分野です。2027年から始まる育成就労制度においても、引き続き主要な対象分野とされています。
従来の技能実習制度では、特定技能への移行やキャリア形成に一定の制約がありましたが、育成就労制度では、教育・訓練内容の充実や移行手続の簡素化が進められ、外国人介護職員がより安定的に働き、ステップアップできる仕組みへと整備が進んでいます。
事業者にとっては、今後の運用要領の確定を踏まえて、採用・育成・定着支援の体制を再点検することが重要な時期となります。
2.技能実習生・特定技能外国人も「処遇改善加算」の対象に
厚生労働省が令和7年3月17日付で公表した「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)」では、次のように明記されています。
「EPAによる介護福祉士候補者」および「介護職種の技能実習生」は処遇改善加算の対象となる。
また、「介護分野の特定技能外国人」についても同様に処遇改善加算の対象となる。
(厚労省『介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)』問2-3より)
つまり、外国人介護職員も日本人職員と同じく処遇改善加算の対象であり、介護現場では国籍を問わず、公平な処遇改善を行う体制づくりが求められています。これは「特定技能」「育成就労」という制度の拡大を見据えたとき、人材確保と職場の安定経営を両立させるうえで欠かせない視点です。
3.処遇改善の実務対応と管理のポイント
処遇改善加算はすでに外国人職員にも適用されています。 EPA介護福祉士候補者、技能実習生、特定技能外国人が介護職として勤務している場合、日本人職員と同様に処遇改善加算の対象です。
このため、国籍や雇用形態にかかわらず、公平で一貫した賃金改善の管理が求められます。これは新制度に限らず、介護事業者が毎年度取り組むべき基本的な実務です。
◆ 管理のポイント
- 加算対象となる職員の範囲を正確に把握すること
- 賃金改善の方法・支給時期を明確に定めておくこと
- 実績報告において、加算額と支給額、就業規則などとの整合性を確認すること
- 法定福利費を含めた「賃金改善額」の算出根拠を記録に残すこと
これらは制度改正の有無にかかわらず、処遇改善加算を適正に運用するために不可欠な取組です。
4.まとめ
介護分野では、特定技能・育成就労制度の整備とともに、外国人職員を含めた処遇改善の公平な運用が一層重視されています。
人材確保が難しい時代だからこそ、「制度を正しく理解し、数字で管理する」ことが、事業の信頼と継続性を支える鍵です。今後も制度改正の動向を注視しながら、事業所全体で処遇改善の仕組みを見直し、持続可能な人材育成体制を整えていくことが大切です。




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