


2026.05.12コラム
処遇改善加算制度も制度開始から10年が経過しました。
毎年の改正の中で、混同しやすくそれでいて大切な考え方についておさらいをしてみます。
処遇改善加算で混同しやすい用語のひとつが、「賃金改善」と「ベースアップ」です。
加算による給与の上乗せは「賃金改善」にあたります。賞与での上乗せも賃金改善です。
そのうち、毎月決まって支払う給与の中の、手当や、基本給・時給の昇給として行うものが「ベースアップ等」にあたります。
つまり、賃金改善とベースアップは、同じ意味ではありません。
賃金改善要件ではそれぞれの金額が関わるので、混同しないようにしましょう。
「経験・技能のある職員」についても、勘違いしやすいポイントです。
かつては介護であれば「介護福祉士資格を持ち、勤続10年以上」という話もありましたが、これはあくまで国が出した目安。
法人内の誰を「経験・技能のある職員」とするかは、法人内のルール作りで運用します。
たとえば、他法人での経験を含めるのか、どの資格を評価するのかなど、基準を整理し、かつそれを周知しておくことが大切です。
賃金改善額には、職員本人に支払う給与の支給額だけでなく、給与の増加に伴って増える社会保険料の事業主負担分を含めることができます。
処遇改善加算の支給により職員の給与が増えると、それに伴い社会保険料も増額します。
1人ずつは大きな額ではないかもしれませんが、積み重なれば侮れない金額です。
そのため単純に「職員へ支払った金額」だけを改善額として見ていると、実際に法人にかかる負担額は大きな金額になっていることがあります。
社会保険料の事業主負担分の増加部分も踏まえて賃金改善額を考えることは、法人の経営という面でメリットのある運用です。
入ってきた加算額=そのまま職員へ支払う額ではありません。
必ず1円以上は受け取った額を超える必要があります。
そのため、「ぴったり合わせる」よりも、少し余裕をもって支給設計をしておく方が実務上は安心です。
処遇改善加算は、職員の待遇改善につながる大切な制度です。
一方で、用語の意味や計算方法をあいまいにしたまま進めると、実績報告の段階で困ることがあります。
特に、職員の入退職や勤務時間の変動がある事業所では、月々の支給額が安定しにくく、早めの確認が大切です。
「たぶん大丈夫」ではなく、制度の考え方を確認しながら、計画的に運用していきましょう。
まにしすなら賃金改善額や社会保険料、支給額の過不足などを毎月の入力で適切に管理できます。
処遇改善加算に悩まれたら、ぜひ一度お問い合わせください。