コラム

2026.01.26コラム

なぜ補助金の金額は期待とズレるのか ―“最大値”だけが一人歩きしないために―

令和7年度補正予算の「介護職員等賃上げ補助金」が注目されています。
「1人あたり月額19,000円」という数字が広く取り上げられていますが、
前回の補助金(約6,000円)でも同様に金額だけが先に広まり、実際の支給額との差に戸惑った事業所も少なくありませんでした。

今回の19,000円という数字は、補助金の仕組み上、最大額を前提とした金額です。
具体的には、補助金の①②③3つの要件をすべて実施した上で、
更に配布対象を「介護職員のみ」とした場合の試算値です。
しかし、現場は看護職員や相談員、調理、事務、送迎など幅広い職種が支えています。
そのため頭数が増えると、当然ながら1人あたりの配分額は下がることになります。

前回の補助金で「思ったより金額が…」という声が出た背景にもこの構造があり、今回の補助金も同様、
制度情報を金額だけで受け取ってしまうと、期待値のズレから現場の理解を得にくくなることもあります。
事業所としては、制度の目的と仕組みを正しく把握し、金額の根拠等を可能な限り職員に説明し共有することが大切です。

処遇改善は賃金改善だけでなく、職場環境や人材定着にも関わるため、補助金制度を単発で捉えず、
全体像の中で判断していく視点が今後ますます求められると考えます。